大人っぽいシャツの着こなし、前のボタンは開ける?閉める?
シャツは大人カジュアルをつくるうえで欠かせないベーシックアイテム。脇役としてアウターやニットのインに合わせたり、主役として1枚で着たりで、1年中活躍するのは勿論のこと、女性からのウケがよく好感度も高い。さらりと着るだけで、それなりにさまになるのもシャツのよいところです
また、大人の着こなしにはカジュアルであろうとも、どこか品のよさが必要。どんなに着崩しても、襟つきの端正な顔立ちがほどよいきちんと感を与えてくるシャツは、そういった意味でも大人に欠かせないアイテムと言えます。
前のボタンは開けるべきか、閉めるべきか
さて、本題に入ります。シャツの前のボタンの開けるべき? それとも閉めるべき?
ドレスシャツなら前のボタンは閉めます。当たり前ですよね。問題はカジュアルなシャツはどうなのか。
休日なら当然ラフに着たい、と思う人もいるでしょう。堅苦しい格好はしたくないですよね。
ある程度ラフでも、それなりにきちんと感のある着こなしがしたい、そう思う人もいるでしょう。
結局のところ、前のボタンは開けるのも正解だし、閉めるのも正解です。どちらでもいいんです。
『どんなファッションスタイルを目指しているのか』 そこがポイントなんだと理解してください。
きれいめカジュアルの着こなし
きれいめカジュアルとは、清潔感があって爽やか、上品でほどよいきちんと感を備えたファッションのことです。トラッド寄りのカジュアルもこちら。都市型カジュアルなんて言い方もしますね。
クリーンな着こなしを信条とするなら、当然シャツの着こなしもワイルドにしないことが基本。前のボタンを閉めたほうが、品よく着こなせること間違いなし。ボタンは全て閉めてもいいし、上から1~2個辺りまでは開けてもよいでしょう。このスタイルは胸もとの露出を控えめにした方が上品なVゾーンになります。
シャツのちょっとしたテクニックとして使われる袖まくりは、きれいめな着こなしの場合でも有効です。ただし袖をまくり過ぎないこと。控えめに手首と肘の間ぐらいまでの、さりげない捲り具合にしましょう。
それから襟についてですが、ボタンを閉める着こなしの場合はボタンダウン(襟の先端に小さなボタンが付いてるタイプ)が特に似合います。より上品さ、清潔感を出せるのでおすすめです。
サイジングはジャストか若干タイトが合います。ゆったりシルエットは似合いません。パンツにはインしてもいいし外に出してもいい。外に出す場合は着丈に注意したい。お尻が全部隠れるぐらいの長すぎる丈は、だらしなくなるのでNG。
カラーは明るい色からダークトーンまで合いますが、特に白とネイビーは鉄板。清潔感あふれる白、知的なネイビーは女性からの支持も高い。無地なら水色や薄いピンクなどの淡い色も爽やかでおすすめです。
柄ものはチェック、ストライプなどトラッド感のあるもの。それからドット、ペイズリー、ボタニカル柄などエレガントな雰囲気のものを選ぶと、上品さをキープできます。
チェックは小さい柄、とくにギンガムチェックやマイクロチェックがおすすめです。ギンガムはカラフルな色より白黒のモノトーンを選ぶと、都会的で少しモードっぽさも出せるので、より知的で落ち着いた雰囲気になります。
ドット柄はへたすると子供っぽくなりがちですが、小さいドットを選ぶとポップさを消してくれて品がよくなります。例えばネイビーにホワイトもしくはオレンジの細かいドット。きれいめに、そして上品に大人っぽく仕上がります。
合わせるパンツはチノが定番。カジュアルなのでジーンズも良いでしょう。シルエットはテーパードタイプやストレート、スリムストレートなど、スッキリしたものを選ぶこと。スキニーなど極端に細いタイプも合わないこともないのですが、大人の着こなしを前提に考えると、女性ウケはあまりよくありせん(若いなら別です)。
ジーンズは生デニム・リジッドデニム。ウォッシュド加工のタイプは、うっすら部分的に色落ちしているぐらい、軽くヴィンテージ加工を施したものならOKです。加工しすぎのタイプはきれいめな着こなしに合いません。
きれいめカジュアルについては、こちらのページでもまとめていますので、参考にしてみてください。
きれいめカジュアル・30代40代の清潔感のあるメンズファッション
サーフ・西海岸カジュアルの着こなし
サーフ・西海岸カジュアルとは、リラックス感のあるラフなアメカジ、サーファーっぽいカジュアルなファッションのことです。ヴィンテージな風合いのデニムに白シャツ合わせで、渋くても爽やかな雰囲気にしたり、チェック柄でサーファーっぽさを加えたりするのが常套手段。ベーシックなアイテムを重ねつつ、どこかこなれ感が漂っている、そんなスタイルです。
この肩ひじ張らないラフなスタイルの場合、前のボタンを開けたほうが、ワイルド感を出せます。全開もしくは真ん中のボタン1つだけ留めるのが良いでしょう。胸もとの露出が多いと大人の色気を出せるし、肉体派なら鍛えたボディも強調できます。また、インナーの合わせによって絶妙なぬけ感を出せるし、タフにも爽やかにもアレンジできます。
袖まくりのテクニックは肌の露出が増えるわけですので、当然このスタイルにも合います。控えめな袖まくりでもいいし、肘までガッツリ捲ってもいい。
サイジングはジャストか少しゆったりめのシルエット。タイトめなサイズはこのスタイルに似合いません。
裾はパンツにインせず、無造作に出しましょう。
カラーは全体的に明るい色が合います。無地なら爽やかな白や淡い色、パステルカラーなど、爽快でリラックス感のあるトーンがおすすめです。定番の薄いブルー、上品カラーの薄いパープル、日焼け肌に似合う薄いピンクなど、優しげな淡い色のトーンが男っぽさを出しつつ、そこはかとなく大人の色気も醸し出せるので、西海岸のセレブにも人気。
柄ものについてですが、LAカジュアルではチェックが定番です。それも大柄のチェックで、何年も着こんだようなヴィンテージ感のある褪せた色合いのもの。味出しシャツなんて言い方もしますね。そんな味のあるチェックをピタピタではなく、少しゆったりめに着こなすのが良いでしょう。リラックス感、脱力感のあるカジュアルには本当によく似合います。
チェックの着こなしは定番のアメカジスタイルですが、チェックの1色を拾って同じ色のボトムスを合わせると全体が引き締まる。こんなひと工夫を加えただけで、メリハリも統一感も出せてこなれ感も倍増します。
西海岸カジュアルならデニムシャツも忘れてはいけません。最も男らしさを演出しやすいこのアイテムは、グラデーションの着こなしで仕上げるのがよいでしょう。やや色褪せた濃紺ジーンズに明るめのデニムシャツを合わせるなど、パンツをトップスより濃い色にするとまとまりやすい。このデニムオンデニムの着こなしも西海岸カジュアルでは人気があります。
合わせるパンツはジーンズが定番。リジッドではなく、色落ち加工やダメージ加工を施したヴィンテージ感のあるデニム。シルエットはストレートか、多少ゆったりしたタイプ。タイトなシルエットはNGです。カラーは濃紺、それから淡いブルーも爽やかさや海っぽさがあって、褪せ色のトップスにしっくり馴染みます。膝丈ショーツも似合いますね。
西海岸カジュアル、サーファーっぽい着こなしについては、こちらのページでもまとめています。
30代40代の西海岸カジュアル・サーフ系
さりげなく“こなれ感を出す”シャツのテクニック
上記でも書きましたが、袖をクルクルまくるテクニックは手軽に誰でもできるのでおすすめです。裾ボタンをきっちり留めていると、どうしてもお堅い印象になりがち。腕まくりするだけであら不思議、こなれた雰囲気になるんです。
なにか足りないなぁ?と思ったときは是非とも袖を捲ってみてください。これはシャツだけでなく長袖カットソーやニットでも有効。腕を見せることで男っぽさも増すので、大人の色気をアピールしたい場合にも使えます。
でもビジネスマンのようにきっちりと捲るのでは効果は半減。袖をラフに捲って無造作に見せることが大事です。くるくる捲っていくより、肘あたりまで大きく1回だけ捲った後、捲った部分をさらに1~2回捲ると、うまいこと無造作感を出せます。
シャツの裾を半分だけ出すテクニックもあります。これはセレブのおしゃれ番長ことデイビット・ベッカム氏が世に広めたテクなんですが、裾の半分はパンツにインして、半分だけ出すことで、全体にぬけ感を加えるというもの。あくまで自然に裾を出すことがポイントです。
フラップ付きの胸ポケットの場合、クシャッと入れるテクがあります(フラップとはポケットの蓋みたいな部分のこと)。このテクはフラップの部分をクシャッとさせて、中央のみ軽く中に入れることでニュアンスを作るというもの。着こなしに味が出ます。
胸もとにサングラスを挿すテクニックは、雑誌でよく外人がやってますよね。サングラスを引っ掛けると、かっこうのアクセントになりますが、ちょっと気恥ずかしさもあります。ボタンホールにサングラスのテンプルを引っ掛けると、落ちにくくて実用的。
シャツのおすすめメンズブランド
一口にシャツと言っても、みんな同じように見えて、実は作りや構造など様々な種類や違いがあるんです。
イギリスは質実剛健な力強いかっちりした作りのものが多く、イタリアはいかに快適で美しく見えるか、というのが基本理念。アメリカは汎用性を重視した無駄のない作り。ボタンダウンはいかにもアメリカ的です。そんな見方で選ぶのも面白いかもしれません。
というわけで、最後にシャツを得意とするおすすめのメンズブランドを紹介します。
INDIVIDUALIZED SHIRTS(インディビジュアライズドシャツ)
1961年創業のアメリカのブランド。ボタンダウンの原点を作り上げたブルックスブラザーズのカスタムオーダーを任されていた経歴があり、米国内でも現在はテーラードカスタムシャツのトップシェアホルダーです。仕立てのよさと今どき感のあるラインナップが魅力。
Frank&Eileen(フランク&アイリーン)
リラックス感のある西海岸カジュアルにぴったりなアイテムが揃うフランク&アイリーンは、カリフォルニアのブランド。コンパクトすぎず大きすぎない、ほどよい美シルエットが評判です。東京・千駄ヶ谷に旗艦店があり、ロンハーマンなどのセレクトショップでも取り扱っています。こなれたアイテムが揃うブランド。
Finamore(フィナモレ)
1920年代にイタリア、ナポリで生まれたブランド。柔らかな風合いがとても素晴らしく、美しいシルエットのアイテムを作り続けています。豊富なカラー展開も魅力。品がよいのできれいめな着こなしにも、リラックスカジュアルにも似合います。発色の美しい大人のカラーならフィナモレ。
STEVEN ALAN(スティーブアラン)
スティーブアランは1994年にニューヨークで創業。アメリカントラッドを中心に、清潔感のある上品なベーシックスタイルを提案しています。定番のパーフェクトシャツは「リバースシーム」仕様により、衿羽根が左右対称に美しく開き、完璧な着崩し感を演出します。東京・渋谷の直営店、ユナイテッドアローズなどのセレクトショップで取り扱っています。
Brooks Brothers(ブルックスブラザーズ)
アメリカントラッドの礎を築いたブランドといえばブルックスブラザーズ。アメリカでは最も長い歴史を誇る衣料品店として、もはや知らない者はいないブランドです。アメリカのシャツならば、ガントかブルックスブラザーズと言われるほど。ディテールにこだわった上質シャツは着心地も抜群。
Gitman Brothers(ギットマンブラザーズ)
アメリカの伝統的なシャツ作りを地でいく、ペンシルベニア発のギットマンブラザース。いろんなお店が扱っている、アメリカンスタイルの代名詞的ブランドです。2009年に始まったギッドマンヴィンテージはそんな色をより強めたトラッドなライン。
charvet(シャルベ)
フランス発のブランド・シャルベは、オンオフ使えて上品な大人のシャツの理想形。クラシックなデザインでありながらも衿は小ぶりでモダン。タックアウトしても違和感のないフォルムなので、タイドアップはもちろん、カジュアルスタイルにも使える着回し力も備えています。
GANT Rugger(ガントラガー)
2010年にガントのカジュアルラインとしてガント・ラガーが設立。アメリカントラッドの中核をなした名門ブランド・ガントのDNAに、モダンなエッセンスを加えたライフスタイルブランドです。ヴィンテージを彷彿とさせる独特のこなれた素材感も、このブランドの魅力のひとつです。
TODD SNYDER(トッドスナイダー)
2011年秋冬にニューヨークコレクションでデビュー。トラッドをベースにテーラーで培った技術で、今日的なジェントルマンスタイルを提案しています。ブランドを象徴するシャンブレーのシャツは飾らない上品さが魅力。まず作りたかったというボタンダウンは、アメリカらしいディテールでモダンなバランスを楽しめます。
BAND OF OUTSIDERS(バンドオブアウトサイダーズ)
モダントラッドの旗手バンドオブアウトサイダーズは、LAのアメトラブランド。ほどよく効いたデザインで、シルエットも素晴らしい。お気に入りの一枚に合わせる服がトータルで揃います。仕立てのいい定番のボタンダウンは、絶妙なフィット感と洗練された都会的なシルエットが特徴。
YAECA(ヤエカ)
ナチュラル&ベーシック、そんな言葉を想起させるヤエカは、シンプルで長く愛用できる日常着をテーマに、常にスタンダードであり続けるデイリーウェアを提案しています。シャツはデビュー時から高い評価を得ています。デザインはもちろん、素材やディテール、着心地までこだわる人におすすめ。
