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こんなに違う?大人に欠かせないシャツの種類とディテールの違い

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こんなに違う?大人に欠かせないシャツの種類とディテールの違い

オンでもオフでもどんな装いのときでも、ほどよいきちんと感と品のよさを与えてくれるシャツは、大人の落ち着いた着こなしに欠かせないアイテムです。私も20代の頃より今の方が好んで着るようになりました。1枚で着たり、アウターにインしたりで1年使えるし、おしゃれを意識しなくてもそれ1枚でそれなりキマる。とても使い勝手がいい。

シャツって本当に様々な襟型や生地の種類があります。そのことは知っていても「何故そうなのか」まで考える人は少ないですよね。ということでイタリアやイギリス、アメリカの典型的なシャツから、その違を見ていきましょう。

美しさと快適さを追求するイタリア

奔放で華やかな生活を好む彼らは、いかにリラックスして着られるか、かつ格好良えるか。というのが基本的な考え方。シャツに限らずイタリアの洋服やパンツは美しいシルエットと快適さを追求したブランドが多いですよね。

ノータイでも美しいホリゾンタルカラーがイタリアらしい襟型の典型です。鎖骨に襟が当たらない少し内側に窪んだ作り。芯材も柔らかめ。ヨーク部は一枚の布になっており、ギャザーによって背や肩の可動領域を増やしています。中央につなぎがなく、着心地に非常に優れています。このようなソフトな襟芯や伸縮性の高いギャザーなどもイタリアらしいディテールといえます。

蝶貝や高瀬貝などの艶やかなボタンを好んで使い、着たり脱いだりがラクチンな鳥足、根巻きの縫製で取り付けています。袖つけは身頃の縫い目と袖の縫い目がズレている後づけを採用。イタリアは立ち姿の美しさを求めるので、これにより肩の運動量を確保し、手を前方に動かしやすくしています。

力強くかっちりした作りのイギリス

イギリスは「貴族が着るためのシャツ」がルーツになっていることもあって、格調高く見えることが大前提。背筋をピンと伸ばして、胸を堂々と張って着るような作りになっています。堅牢なミシン縫製などに紳士の国、質実剛健な国民性がよく表れています。動きの中での美しい見え方を追求するので、肘を曲げた状態での採寸方法をとります。

イギリスの定番シャツの襟は、外側に膨らむ形でカーブしているため剣先が鎖骨に当たり、襟が美しく持ち上げる作り。ジャケットで襟を抑えるのが前提になっています。襟の芯材は堅め。ヨークは中央に接ぎを入れたバックスプリットヨークを採用。バイヤス方向に生地を使い、それが伸びることで背中や肩の運動量を確保しています。

ボタンは薄めの白蝶貝ボタンを基本とし、クロス掛けを中心にしっかり取り付けるのがイギリス流。簡単に取れたりしないのが英国紳士の作法です。袖つけは身頃と袖を一緒に縫製。腕の可動域は下がりますが、胸を張った男性的なシルエットになります。

合理主義で無駄のない作りのアメリカ

ボタンダウンなどに代表されるアメリカのシャツは、合理性の中に美学を求めたものと考えられます。多種多様な人々が暮らす国ということもあって汎用性を重視。シルエットも基本的にゆったりしたものが多いです。価格もマシンメイドで抑え、よいものはどの国の特徴でも柔軟に取り入れる。こういったところはアメリカらしい合理的な考え方ですね。

アメリカンシャツの典型的なスタイルといえばボタンダウン。ポロ競技での利便性から生まれ、ポロカラーとして広まったもの。ほどよい品の良さを加えてくれるので、大人っぽいシャツの着こなしにとても重宝します。ヨークの幅はなぜか狭いのがアメリカのスタイル。なで肩に作られた服が多いので、それに合わせているとか。

ボタンはコストパフォーマンスを考慮して素材を選び、クロス掛けなどでしっかりと取り付けています。袖つけについては手間のかかる後づけはしません。アームホールは高めで全体的にゆとりのあるシルエットが、アメリカ流の特徴です。



シャツの違いを考えるとそれぞれのお国柄が見えて面白いですね。モノ作りの考え方は国によってさまざまで、作りや構造に国民性の違いとファッション感が見てとれます。選ぶ際はどこの国のスタイルか考えると、より楽しめるのではないでしょうか。


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